心を上手に透視する方法 (書籍感想) ★★

サンマーク出版のいかにも怪しげなタイトルの本だが(特に帯の煽り文が最悪)感想を書く。

[感想]とにかく既知の情報が多い。
書いてあるのは、あくまでも自分の中で暗黙知と考えている内容がほとんどで、例えば「第一印象は外見が作る」
は当たり前だし、個人的に服装は個人の内面を表す鏡だと思っているので、ここで言われるまでもない。
その後の解説も平易で、特に目新しい気づきもなかった。したがって、自分の中のレーティングは ★★☆☆☆(2/5) 

[序章]人は多くの情報を無意識下で見落としている。意識を向けることでそれらは視えてくる。"
「当時は毎日、誰かが講演を行うのを観察するという機会を持つことができた」 (トルステン・ハートナー:本文抜粋)
この観察しようとする「意識」が何よりも重要だ。なぜなら、ヒトは無意識下では外界から取り入れた情報の一部分しか「知覚」できない。唯一、「意識」することで「知覚」し活用することができるからだ。人は視覚器官だけで、毎秒約1GBの情報を受け取っている。さらに感覚、触角、嗅覚、味覚も含めれば、いかに膨大な情報が毎秒、脳内になだれ込んでいるかがわかる。そして、外界から得た膨大なデータを当然すべて処理しきれるはずもなく、大多数が未処理で捨てられる。
しかし、未処理で捨てられる情報を、私達は「意識」することですくい上げ、「知覚」することができる。人に対する情報を「知覚」し、あたかも心を読んだかのように予測するのが「マインド・リーディング」だ。つまり、マインド・リーディングは、魔術的なものでもスピリチュアル的なものでもなく、意図的に鍛えた知覚能力と言えよう。

[第一印象は外見が作る]
これはそもそもこの本を読む前から私の持論である。また、私の持論では外見は中身に等しく重要である。そこに優劣はない。
あなたが友人にモノを買ってプレゼントするとしよう。買うモノを決めた後に店へ行く。棚には様々なメーカのモノが陳列されている。その時、あなたが手に取るのは「見栄えの良いモノ」ではなかろうか?手にとって見るという行為1つでも、見栄えの良い、外見の良いモノが第一印象で優先されているのだ。これはつまり、外見が良くなければ手にとって中身さえ見て貰えないことに他ならない。話が反れた。

私たちは期待する事で、明らかに、かたち通りの見方をしている。たとえば、ビジネスで非常に成功している人を思い浮かべてほしい。
想像した人物は、太った初老の男性ではないだろう。おそらく、引き締まった体つきでオーダーメイドスーツを着た、小ざっぱりしたいでたちの35〜45歳くらいの経営者ではないだろうか。つまりは逆にそういった格好の人を見ると、ビジネスで成功していそうな印象を抱く、と言うことだ。